声優さんが芸名を変える理由とは

アニメやゲームが好きな人にとってあこがれの職業といえば声優さんではないでしょうか。ベテランの方から、若くして売れっ子のアイドルさん、デビューしたての新人さんまで、年齢やキャリアにも幅があります。どんな人でも、声優さんになったからには一流の売れっ子になることが目標になるのかもしれませんが、実情はそんなに甘くはない、というのはどこの業界でも同じことかもしれません。
ただ、この業界には一つ少しかわった掟のようなものがあることはあまり知られていないかもしれません。
声優さんにはそれぞれランクが存在し、デビューした時点で一番下のランクから開始します。そしてしばらくするとキャリアや人気にかかわらずにそのランクが上がっていきます。その後も一定の期間を経ることで徐々にランクが上がっていく、というシステムになっています。ランクが上がると、例えばアニメのキャラクターを一本担当する際、これまでは一回5000円だった単価が10000円になる、というようにランク制でお給料が決められているのです。ランクが上がれば、収入が増えるような仕組みに見えるので、本人にとっては歓迎すべきことのようにも思えるのですが、実情はそうではないのです。


ランクが上がって単価が上がるということは、それだけアニメを制作する側として同じ人に多くの報酬を支払う必要が出てきます。
そうすると制作側としては、同じくらいの能力を持った人なのであれば単価の安い人、つまりランクの低い人を使う方が節約にもなるため、ランクが上がると仕事が減ってしまうという構図が生まれてしまっているのです。
元々、声優さんたちの収入を守るために作られた制度だったのですが、こういった弊害を生んでしまっている実情があります。そこで声優さんたちは苦肉の策として、芸名を変え、その名前で再度デビューと言う形をとり、ランクアップすることを避けてあえてランクを下げることで単価が上がり仕事が減ることではなく、単価を下げて仕事を減らさないという選択肢を選ぶ人が相当数存在するのです。キャリアを積めば収入が増えるはずの仕事の中でこういった気の毒な実情の背景には、売れっ子の方などは仕事も収入も増え、底辺の人達にはあまり仕事が行き届かないという慢性的な状態が存在します。お気に入りの声優さんが芸名を変えた時などには実はこういった背景があるのかもしれない、と思えばこれまで以上に応援にも力が入るかもしれません。


次の記事へ