インタビュー 松井恵理子

松井恵理子
名古屋出身
2009年4月入所

「満足したらそこがゴールになってしまう」

終始謙虚だった松井恵理子が力強く語った瞬間だった。
松井は幼い頃から常にアニメと共に育ち、小学生の頃には声優になりたいという思いを抱いていた。

「なりたいと思っていたらここまで来ちゃった」

特別な事はしていない、心がけているのは好きな物を増やす事。役者にとって無駄な事は無い、今自分が好きな事を突き詰めて行くのも良い、新しい事に興味を向けて行くのも良い。
人の話を聞いて、人と関わって。何気ない瞬間から得ていく。辛い事から目を逸らさずに向き合って行く。
そうやって成長して行く事が大事だと彼女は語る。
穏やかな雰囲気からは想像できなかった、役者論、というより人間論。
成程と思わせる。この人間としての芯の強さが今彼女がレギュラーを取り続ける理由なのだろう。

「二人三脚でやっていくんだろうなぁ」

高校を卒業し専門学校へ進学した彼女だが、専門学校卒業後にインターナショナル・メディア学院へと道を進めた。他にもいくつかオーディションを受けたが、決め手は唯一ダメ出しをしてくれたからだと言う。
何も言われないのが普通の中でのダメ出し、一人一人をしっかり見てくれるここでなら自分は頑張って行けると思ったのだという。
結果的に三年でアニメレギュラーを取り続けているのだから、彼女の選択は正しかったのだろう。
「声優としての第一歩を踏み出した」
彼女にとっての代表作『まおゆう魔王勇者』でドラマCD、アニメ、ラジオ、ニコ生、朗読劇と多岐に渡る出演を果たす。
そのほとんどが松井にとって初めての経験であり、話には聞いていたが、声優というのは本当に色々な事をするんだと思ったと言う。
テープオーディションであったが、決まった際にキャスト表を見て彼女が思ったのは「私ここに居て良いんですか」だったという。
主演は小清水亜美さんに福山潤さん、第一線で活躍を続ける二人。他の方々もそうそうたる面々である。対して松井はまだまだ無名、彼女が驚くのも無理はなかったかもしれない。
しかし彼女の実力は認められ、原作より出番もセリフも増えたというのだから驚きだ。

「凄く良いご縁を頂けている」

『まおゆう』『魔術士オーフェン』ビッグタイトル二つに続き現在放送中の『ログ・ホライズン』、そして『未確認で進行形』。
順調に出演作を増やし続ける彼女だが、本当にスタッフや共演者の方々が凄い方ばかりで、自分は甘えているだけ、でも期待して貰えるからには120%答えたい。

『今は上だけ向いていれば良い』

プレッシャーは無い、でも満足もしない、満足したらそこがゴールになってしまう。
松井恵理子は本当に、謙虚で芯が強く、魅力的な人間であった。

「一回飛び込んでみるのも一つの手」

今声優を目指している人達にはまず一歩踏み出して欲しいのだという。
決して簡単な世界では無い、声優業界も芸能界であり、今や人気の職業である。
でも、だからといって怖がってばかりでは何も進まない、踏み込んで、沢山の人と関わって欲しい。
そうやって成長していく事があらゆる意味でその人自身の為になるから。

「可能性はやりたいと思ったら1%からそれ以上」

これが彼女から皆さんへの、力いっぱいのエールだ。