講師の生の声
声優になるには何が大事か。何を考え、何に重きをおいているのか。また、ぜひとも意識して欲しい事など。日々、学院生達を教え導く講師からの貴重な意見やメッセージ!
ぜひご一読ください!
(※:順不同)
声優になるには声優養成所インターナショナル・メディア学院
高橋征二先生
プロを目指すときの心構え。
役者・声優・ナレーター・MCなどに求められるのは、音声の土台作りです。
プロの世界は、どんなに力量があってもそれ以上の人がいれば勝負になりません。
しかし同じ土俵に上がるための土台(基礎力)を養えば、必ず道は開けます。
当然土台にもグレードの幅はあります。高いグレードを身につければ、高いグレードの仕事に出会える可能性も広がります。
無理なものとは、諦めることではなく目標を明確にするための方向付け
個人の能力には限界もありますが、鍛えて伸びるものと鍛えても無理なものの見極めも必要です。無理なものとは、諦めることではなく目標を明確にするための方向付けです。
やるべき課題が沢山あっても、焦らずに優先課題を決めてスキルをあげると他の問題がついてきます。一つの課題を前進させることがレベルアップにつながります。
例えば、アクセントに自信がつけば、声の力も出てきます。声を出す時間を増やせば、自然に腹式の力も身について来ます。
個人の持っている良い部分を先ず見つけ、その部分を伸ばして自分の武器にします。
プロ野球選手なら「ホームランバッターを目指すのか、アベレージヒッターを目指すのか、足を活かすのか、守備力を見せるのか。」自分の武器の中で、他の選手と勝負できるものを磨くのと同じことです。
そのためには自分でやるしかないのもこの世界です。
投資が無駄になるかならないかは君たちの生き方次第だ
プロを目指す世界では夢をつかめるのはほんの一握りです。能力があっても、局アナになれる可能性が1000分の1以下であるのと同じで、声優やナレーターの道も厳しいものがあります。
「いくら力があってもチャンスに恵まれない人もいる。ワンチャンスをものに出来る人もいる。だからチャンスに巡り合う時の準備をしておくしか方法はない。準備をしていない人に望む舞台はあり得ない。そしてこの準備は将来、どんな仕事をする場合でもいきてくる。この時期にやれることはしっかりやっておこう。投資が無駄になるかならないかは君たちの生き方次第だ」。
声優になるには声優養成所インターナショナル・メディア学院
阿部達雄先生
コミュニケーションが大切。
現在声優を目指している、あるいはこれから目指そうとしている方に向けて。
役者をしていくためには、コミュニケーションが大切です。
一緒に演技をする共演者や、現場で作品作りに関わるスタッフの皆さんや、プロダクションの人達とちゃんと付き合っていくこと。
言葉や体を使って自分の思いを伝え、相手の思いを受け止めることが大事です。
役者を目指す人の中には、人との付き合いが苦手な人も多いかもしれません。
でも、演技を勉強する事は人との付き合い方を見つけていく事でもあります。
演技を学ぶことはあなたの心や周りの人達との付き合いを、今よりもっと豊かにしてくれる事でしょう。今の自分より少しづつでも自由に楽しくなっていけると思います。
私自身もお芝居を始める前は、人と話せず辛い思いをした事がありました。お芝居をすることで、同じ話題で話し合うことから始まり、自分を人に知ってもらうことや人の良い所を見つけていくことが出来るようになって、演技に自分を助けてもらったという思いがあります。
感動するのはどこか。
私達がアニメやドラマ、映画を見て感動するのはどこでしょうか。
結果ではなく、その過程にある思いがわかる事が人の心を動かすのだと思います。
例えばスポーツを見ている場合、マラソンのゴールの瞬間だけ見ても何とも思わないでしょう。マラソンは人が「ただ」走っているだけなのに何故か見てしまいます。その走っている姿を見せる、または想像させる事が演技で最も重要な部分ではないでしょうか。
弓道でいうなら、的に矢が当たっている画面を見せるのではなく、静謐な中で弓を引絞る力感のある姿を見せることが最も大事で、結果として的に当てること、だと考えます。
声優になるには声優養成所インターナショナル・メディア学院
村上ヨウ先生
「声優」とは「俳優」である、ということを理解してください。
現在声優を目指している、あるいはこれから目指そうとしている方に向けて。
未だに「自分は声優を目指しているのだから俳優的な演技の勉強は不要である」と考えている方に出会います。
良い声で流暢にしゃべることのみが声優の条件であるのならば、人工的に作り上げた美しい音でマシンにしゃべらせればすみますが、それで視聴者は満足しないでしょう。感情などの抑揚をつければ伝わる、というのであれば電話越しに話すのと、実際に会うことに全く差は感じないでしょう。
私達は相手とコミュニケーションをとるときに、数多くの情報から相手の意志を読み取ります。
声だけでなく仕草や表情、目線、体の向きや動きなどあらゆることを瞬間的に読み取り処理して相手のことを理解しようとするのです。
そのため日常を演じる俳優は登場人物の感情や意図を表現するために、カメラの前や観客の見守る舞台の上などの非日常の空間で、動きも含めて日常的な行動を取れるようトレーニングします。
声優も同様です。マイク前という非日常の場所で目の前に相手がいないにも関わらず、しかもほとんど動くことなくそれを再現しなくてはならないのです。
だから人の日常的な動きを理解しなくてはならないのです。あなた自身の体の働きを理解しなくてはならないのです。
声優は動かなくていい、のではありません。動かずに表現できなければならない、のです。
TVドラマの演技と舞台の演技のスタイルが異なるように、声優の演技もそのスタイルが独特なだけで「演技」の本質部分は同じです。みなさんが学ぶのはその「演技」の基礎の部分です。演技スタイルがTVドラマか映画か、小劇場か大きな商業演劇か、はたまたアニメか吹き替えか、と分かれる以前の「登場人物を演じる」ために必要な最低限の基礎の部分です。かならず役に立ちます。
自信を持って取り組んでください。
誇りを持って取り組んでください。
そして全力で取り組んでください。
感情を躍動させてください。
現在声優を目指している、あるいはこれから目指そうとしている方に向けて。
クールであることは格好良いとされています。どんな局面でもうろたえず冷静に対処できる、異性にモテモテでも鼻の下を伸ばさず上爽やかに振る舞える、自分の苦しみをひた隠して笑顔で相手に接する、そんな事ができたらどんなにか魅力的でしょう。僕も憧れます。実はちょっと試した時期もありました。無理でした。ええ、そんな度量はありませんでした。それどころか、クールに振る舞おうとするほどに人が離れていきました。
なぜだかよく考えて気がついたのです。僕は根本的に勘違いしていたのです。
クールで魅力的な人、というのは「感情が高ぶっても理性でコントロールできる人」であって、当時の僕がやろうとしていたのは「感情のあまりない人」だったのです。
たしかに前者は魅力的な人です。気分を害しても怒鳴り散らさない穏やかな人、不測の事態にもオロオロしない冷静な人、嬉しくても度を越して羽目を外さない常識的な人、素敵ですね。
ところが後者はどうでしょう。プレゼントをあげてもあまり喜ばない、悩みを打ち明けても心配してくれない、不幸な出来事を見ても何も感じない。はては緊急事態にその重大さを認識していない。あっという間に嫌な人間の出来上がりです。
そうです。クールな人、感情はめちゃくちゃ動いているんです。冷静な表情の下で心は激しく飛び跳ねているんです。やられました。それをうまく隠されていたんです。
でも考えてみたら当たり前なのです。心が動いているからこそ、「抑える」「隠す」といったことができるのです。そして「抑えている」「隠している」ときこそが魅力的なときなのです。感情がなくなってしまえば「抑える」ことも「隠す」事もできません。「抑える」べきものがそもそもないのですから魅力的になりようがないのです。
僕は間違っていました。そして間違いに気づけたので修正できました。
皆さんはどうですか?
間違ってませんか?
今からでも修正することはありませんか?
人前に出てください。
現在声優を目指している、あるいはこれから目指そうとしている方に向けて。
「人前に出ることが苦手です」「あがり症で話下手です」「初対面の人とうまく話せません」
皆さんからよく聞く言葉です。中には「人前が苦手だから、表に出ない声優を目指しています」という人もいます。
まあ、気持は良くわかります。僕もそうでしたから。目立ちたくない。注目されたくない。目をつけられて攻撃されたくない。そんな思いで毎日過ごしていました。
ですがあえて書きます。
「だからこそ人前に立て」
苦手だからこそ積極的に前に出てください。下手だからこそ何度もトライしてください。ヒットを打てない野球選手が空振りを恐れて打席に立たずに上手くなるでしょうか?まだ下手くそなギタリストが楽器に触らずに上達するでしょうか?
逆ですよね。下手だからこそ練習するのです。上手くできないからこそ何度も経験して慣れていかなくてはならないのです。
「まだうまくしゃべれないから、しゃべれるようになってから人前に出る」のではなく「人の前でしゃべること自体を人前で練習する」のです。
人前に出ることが当たり前のことに感じられるようにならなければ、そこで当たり前のようにしゃべることはできないのです。ましてや「他人になりきって演技する」なんてできないのです。
勘違いしているかもしれませんが、声優は人前に立ちます。ものすごく立ちます。
最近は顔出しの機会が増えて、という話ではありません。ちょっと想像してみてください。
あなたがプロになった場合、スタジオがあなたの仕事場になります。作品ごとにスタジオは変わります。監督も変わります。同じ作品を一本だけやって生活していける世界ではありません。仕事が入るほどに、つまり売れるほどに毎日違う現場に行くわけです。
初めての場所で、初めての監督の前で、初めての共演者の前で、あなたはいきなり演技をしなくてはなりません。ベテランの声優に聞かれています。クライアントに値踏みされています。監督の指示が次々飛んできます。その中であなたは相手が納得するものを出さなくてはならないのです。俳優の、声優の仕事は常に誰かに見られている仕事なのです。
今のうちに、人に見られることに慣れておきましょう。レッスンのときも、日常の学校や仕事先でも、遊びに行ったときや買い物しているときでも。積極的に人に関わっていきましょう。
もちろん慣れていないのだから失敗もします。失敗すれば恥ずかしいから怖くなります。でも大丈夫。その痛みは大したことありません。少なくともあなたが「声優になる」という夢を諦める痛みに比べれば、全然大したことありません。
声の小さい人が懸命に発声練習をするように、滑舌の悪い人が必死に早口言葉を繰り返すように。
自分から人前に飛び出していってください。
声優になるには声優養成所インターナショナル・メディア学院
市山貴章先生
役者を目指す方々へ
俳優を目指すならば、より大いなる旅と冒険をして欲しい。
その旅と冒険の中で、自分の苦手な事をいっぱいやりなさい!
チャレンジ精神が重要です。
人の中に入れないならば、その中に行く事がいい練習に!
口下手ならば、よく喋りなさい!
ダンスが苦手ならば、踊りなさい!
お喋りな人は、一生懸命、人の話を聞きなさい!
ジッとして居られない人は、その逆の瞑想をしたり静かに過ごしてみてください。
まずは自分や自分以外の人に興味を持つべきです。
そして、その好奇心の範囲を広げていくんです。無理せずに楽しみながら。そしてしっかりと自分が生きている事を感じてほしい。
そして、1番は次々にマネをしてみる事です。
そのうちに、いつの間にか自分が変化している事に気がつくでしょう。
何もしないで俳優になる事は出来ない。
あらゆる経験は必要であり無駄にはなりません。
今までの自分の世の中に対する見方も変わってくるでしょう。
そして、どこかに純粋な意識を保ち続ける事が出来るように心がけて頂きたい。
それはいずれ、自分の不可能を可能に変える力になります。
声優になるには声優養成所インターナショナル・メディア学院
白井なお先生
お芝居は日常生活の延長線上から始まります。
お芝居は日常生活の延長線上から始まります。
日常でも四苦八苦しているのに「物語」ではその日常を超えた事件が起こるから、私たちは共感できるし、応援できる。
では日常って?
「今日は人と話してないな」「メールも入ってないな」ということに気づくから、「淋しいな」とか「つまんないな」という気持ちが生まれる。
数年ぶりに大切な友人と会う約束ができたから、ディズニーランドに友人といく約束ができたから、「嬉しいな」「楽しみだな」と気持ちが生まれる。
そう、まずは何か発見するから気持ちが生まれて会話が生まれます。
これがお芝居の原点だと考えます。
お芝居は発見の連続。
まずは同じクラスの仲間からいろいろな発見をするところから始めましょう。
そして発見するためには、相手から自分のことも発見してもらわないといけません。
そう、表面的な自分ではなく、「他人に見せたくない自分」が表に出ても怖がらずにいられる自分を発見していきましょう。