洋画等でよく聞かれるアフレコとは
アフレコはアフターレコーディングの略で映像を先に撮って音声を後で入れるやり方を言い、洋画の吹き替えを声優さんがやる場合などです。これは和製英語なので外国人には通用しません。アフレコは英語ではポストシンクやダビングなどと言われ、終了後の仕上げ段階のポストプロダクションで行われます。日本の映画においても、撮影中に同時にセリフ録音も行いますが、音声が不鮮明であったり、雑音が多くて収録できなかったり、俳優のセリフと演技が微妙にずれていたという時に行われることがあります。
その他に予算削減の為に行われることもあります。例えば現場においてスタッフや機材を持ち込んで同時録音できないという場合や、収録のスピードアップを図りたいところからやることもあります。初期はテレビ映画から始まり、5コマ以下のズレはごまかすなど音と画面の同調に悪戦苦闘していましたが、16ミリ磁気フィルムの導入でアフレコは飛躍的に進歩したとされています。アフレコに当たる声優はまだ駆け出しの役者や売れていない役者が多かったものでしたが、その後声優の重要性に鑑みて、有名俳優や役者が演じるようになって来ました。
アメリカあたりでもスター級の俳優などがアニメの声優を演じることも常態化して来ています。
そのほかにアテレコという言葉があります。
元は役者の演技などに当てて録音するところから当ててレコーディングするからアテレコと言われていました。洋画の吹き替えも演技に合わせて音声を入れる意味でアテレコと言われ、後にアフレコになりこれに統一されたようです。アメリカのアニメや人形劇、ミュージカルなど先に音声やセリフを吹き込んでから映像を作るという手法もあって、これはプレスコと呼ばれています。ちなみにこれはプレスコアリングの略です。
日本のアニメの場合はまず画面作りを行い、それに合わせてセリフを収録する方法がとられる場合が多いのですが、アメリカのアニメは音声が先にあって、それに合わせて画面作りが為されるという手法がとられています。この方が脚本と全体の纏め方、感情の入った山場の持って行き方など意思通りに行くという利点を持っています。日本のアニメの場合も時間不足でプレスコに移行することもあるようです。
アフレコも当初は音響監督にまかせっきりになってアニメ側の演出家が立ち会わない場合が多かったのですが、現在では監督と演出家、脚本家や原作者も立ち会うのが一般的となっています。